不動産を構成する5つの事業とは

不動産を構成する5つの事業

 

不動産事業は、開発・分譲、流通、賃貸管理、ビル・マンション管理、証券化の5つに分類されます。ここでは、各事業が何をするのか、どのように利益を得ているのかについて説明していきます。

 

不動産を構成する5つの事業とは

 

不動産を構成する5つの事業

不動産を構成する5つの事業

1.開発・分譲事業とは

 開発・分譲事業は、オフィスビルや商業施設の建設・運営、都市の再開発のことです。開発事業者はデベロッパーとも呼ばれています。資本力と企画力で、不動産の付加価値を高めてから販売、賃貸することで投下資本を回収し、利益を得ています。例えば、土地を購入して、その土地のニーズの高いマンションを建設し、それを売って利益を得ます。事業期間が長期にわたることなどから、それを支える資本力が不可欠になります。

2.流通事業とは

流通事業は、仲介事業とも呼ばれ、一戸建てやマンション、土地、オフィスビルなどの売買や賃貸を行う事業です。不動産を仲介として、不動産の所有者とその不動産を利用したい顧客をつなげます。広告の作、物件の案内をして情報の流通を促したり、建物に瑕疵がある場合に補修をしたりして利益を得ていきます。開発事業と比較し、資本力があまりなくとも始められます。

3.賃貸管理事業とは

賃貸管理事業は、アパートや小規模マンションの一棟、マンションの一室といった比較的小規模な不動産の所有者から依頼を受け、賃貸との管理を行う事業です。賃貸不動産を満室にしたり、賃貸人の応対を担ったりすることで賃貸経営をサポートして利益を得ます。

4.ビル・マンション管理事業とは

ビル・マンション管理事業は、オフィスビルや商業施設、分譲マンションを管理する事業です。取り扱う不動産は比較的大規模な不動産であるため、利用者が多く、建物の設備は複雑です。情報を一元管理する窓口担当者を設けたり、建築や設備などの技術専門職を設けたりして、不動産の維持管理をすることで利益を得ていきます。

5.証券化事業とは

証券化事業は、不動産の資金化を図りたい所有者が保有する大型のオフィスビルや商業施設を証券化して、一棟を買う資本力がない、もしくはリスクを分散したい投資家にその証券を売る事業です。不動産を購入して、満室になるようにし、収益をある程度確保した上で、投資家に証券を販売することもあります。証券化と収益性の改善により利益を得ていく事業です。

 

各事業の成り立ち

 

次に、各事業がどのような変遷をたどってきたのか、少し時代を遡ってみていきましょう。

1.開発・分譲事業の成り立ち

オフィスビルや商業施設の開発事業は、大正時代に各財閥が不動産業でオフィス整備のためのビル建設を進めたことで発展しました。

その中心は三菱財閥で、東京丸の内に赤レンガで洋館のオフィスが次々に建設されました。1923年の2月に竣工した丸ビルは、当時一番高い大型ビルであり、ビルディングの名称「ビル」という呼び方はここから始まったといわれています。

一方で、三井財閥は関東大震災前後から東京日本橋室町を中心にオフィスを建設していきました。中でも1923年に着工し、関東大震災で被災した旧本館を建て替え、1923年に完成した三井本館は、当時ビル建設費が坪200円の時代に坪450円と、かなり高額であることで有名です。

これは、耐震性能もしっかり備えたビルのためといわれています。他にも、安田財閥が東京で、住友財閥が大阪でビル建設を行っていきましたが、質・量ともに三菱・三井の2社が戦後までリードしていきました。

分譲事業は、私鉄会社による郊外沿線開発と深く関係しています。明治時代末期の都市地域の拡大によって、私鉄が郊外へと路線を延ばしていく中で、沿線に住む人、つまり、私鉄を利用する人々を増やすため、宅地や一戸建てを分譲していきました。

土地を安く買って開発し、高く売ることで利益を得ていく分譲事業の原型は、ここから始まっています。

開発・分譲事業の成り立ち

開発・分譲事業の成り立ち

2.流通・管理事業の成り立ち

 流通事業は江戸時代から明治時代にかけて、
①町内有力者や家作管理人による仲介世話の職業化、
②金融業者の担保不動産の処分業務から発生したもの、
③人事周旋業の副業として発生したもの、
④信託業の一部として発生したものの4つから始まったといわれています。

どれも副業として行われていたものであり、専業化したのは大正時代になってからです。このころから不動産会社と名乗る業者も出てきましたが、悪質なものも出てきたことから、内務省が宅地建物等か各統制令を施行し、特に東京府では許可制として取り締まりが強化されました。

戦後になり、宅地建物取引業法が制定され、宅地建物取引士につながる試験制度が始まり、現在に至ります。

 管理事業、特にビル管理事業に関しては、ビル建設が行われ始めた明治時代から大正時代にかけては所有者が直接管理を行っていましたが、戦後にGHQが東京丸の内の建築物を接収して、その清掃を組織的に行うようになってから独立した事業になります。

高度経済成長期になるとさらに発展し、霞が関ビルディングを皮切りに高層で大規模なビルや商業施設が建設され、建物や設備の管理と警備、防災面で専門的な技術者が必要になったころから、事業規模が大きくなっていきました。

 マンション管理事業は、ビル管理と同様に清掃から始まりました。1962年に建物の区分所有等に関する法律が制定され、所有者の権利・義務が明確化され、マンションの所有価値が明確になると、維持管理への関心が高まっていきました。

また、1960年代の、団地ブームにより、大型マンションが大衆向けに供給され始めると、管理規模と範囲が大きく複雑になり、分譲会社系列の管理会社が登場して管理するようになりました。

 

不動産業の各事業のかかわり

 

不動産業のプロジェクトの流れとしては、
①不動産(情報・所有者)があり、
②開発・分譲事業を行い、
③流通事業を行い、
④賃貸管理事業、ビル・マンション管理事業を行うという順で進んでいきます。

どの事業も最初は不動産をみつけるところから始まります。その次に、その不動産を使ってどのような事業を行うかについては、不動産の所有者の意向(不動産を売りたいのか、貸したいのか、活用したいのかなど)や、その不動産を見つけた事業者の利益などが、総合的に検討された上で決まります。

また、不動産の種類によっても異なります。不動産が土地であれば、開発や分譲事業、流通事業から始まることが多く見られます。駐車場としての利用であれば、賃貸管理になりますが、数はそう多くはありません。不動産が建物付土地で、一戸建て、マンション、アパートがある場合は、流通事業や賃貸管理事業から始まりますが、一棟のビルやマンションならビル・マンション管理や不動産証券化事業が始まることもあります。このような方向性は、所有者の意向、事業者の利益によって左右されます。

  • 松本有祐(Matsumoto Yusuke)
    松本有祐(Matsumoto Yusuke)

    現役医学生。 医学の勉強に打ち込む傍ら、動画制作チームLetoを立ち上げ、YouTube広告やTikTok動画の編集を行なっている。 趣味は読書であり、様々な書籍から幅広い知識を持ち合わせている。 将来のため学んだ不動産投資について現在執筆中。

関連記事

  1. 不動産投資における確定申告とは

    不動産投資の利回りについて解説。

  2. 不動産小口化商品は危険?メリットやデメリットを解説

    不動産小口化商品は危険?メリットやデメリットを解説

  3. 相続税対策を不動産で行おう

    不動産における相続問題を考える

  4. 建物構造4種の特徴を生かした不動産投資物件の選び方

    建物構造4種の特徴を生かした不動産投資物件の選び方

  5. 不動産投資における確定申告とは

    賃貸住宅管理業者登録制度の法制化を検討

  6. 所得に対する税金を法律に則って削減する方法

    所得に対する税金を法律に則って削減する方法

PAGE TOP