シェアハウス「かぼちゃの馬車」が発端!?東京都足立区はシェアハウス向けの相談窓口を開設。

かぼちゃの馬車 東京都足立区はシェアハウス向けの相談窓口

東京都足立区はシェアハウス向けの相談窓口を都市建設部建築室開発指導課開発指導係に平成30年12月3日に開設したようです。
これは、社会問題化した、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」の問題がきっかけで、足立区が東京23区初となる実態調査をした結果、建設中も含め313棟のシェアハウスが確認されて、その中に渦中の「かぼちゃの馬車」も約70棟確認されたため、違法民泊や犯罪の温床になりかねないという懸念より対策が必要となったと思われます。

 

シェアハウス「かぼちゃの馬車」の問題とは

 

まず、「かぼちゃの馬車」の問題とはどういったものだったかを簡単に振り返ってみましょう。
「かぼちゃの馬車」は株式会社スマートデイズ(旧スマートライフ、2018年破産)が首都圏を中心に販売した女性専用シェアハウスでした。(男性専用のステップクラウドというのもあったようです。)

ターゲットは年収1,000万円以上のサラリーマンや士業の方等の高所得者でした。
問題だったのは、外から見るとかなり無理めの高い家賃保証額を設定して、その設定額に応じて販売価格を設定していたので、周辺相場価格からみてもかなり高い価格で販売したこと。

 

更に、「頭金無、30年間家賃保証」のようなうたい文句で、銀行に年収を水増し申告してオーバーローンをくんで販売したこと。ここで、スルガ銀行の担当の関与があったということです。

 

上記により、当然に家賃保証が破綻して当初の目論見のキャッシュフローは早々に崩れてしまったというものです。
最終的に、保証家賃の不払いで購入者が訴訟を起こし問題が発覚しました。
この問題により、不動産投資ローンの審査がスルガ銀行以外でもかなり厳しくなったりという弊害もありました。
かなり詳細は端折りましたが、概要は以上のような問題でした。

 

足立区はシェアハウス向け相談窓口の開設に先駆けてシェアハウスの規制を強化

 

これにより、保証家賃を見込んでローンを組んだ購入者が保証家賃の不払いにより、直接募集をかけると保証家賃の金額では入居者が入らず、家賃の値下げを余儀なくされて収入がローン返済を下回ってしまったオーナーさんが続出しました。

また、足立区はシェアハウス向け相談窓口の開設に先駆けてシェアハウスの規制を強化する方針を固め、平成31年3月末に決定する予定になっています。

現在、発表されている素案は都の規制よりも厳しくする方向で、該当規模や建築時の標識設置や周辺告知、住室面積を最低9㎡以上にするや住室数と同数以上の駐輪場の設置義務等が盛り込まれています。

詳しくはこちら↓
https://www.city.adachi.tokyo.jp/kaihatsu/documents/pabukome-gaiyou.pdf

 

実際、「かぼちゃの馬車」の一部屋の広さは7㎡に満たない部屋が多く、上記の改正案には適合しなくなりそうです。
また、「かぼちゃの馬車」ではリビングダイニングがなかったり、消防設備等の不備が多かったりで、管理会社からも敬遠されているというのも聞きますので、早めの対策が必要です。

 

足立区はシェアハウス向け相談窓口の相談できる内容

 

それでは、窓口でどのような相談ができるのでしょうか。
基本的には、シェアハウスオーナーを対象にした相談窓口で、シェアハウスをどう活用するのか等の相談を受けるようです。(一部、シェアハウス居住者の相談も受けるようです。)

恐らく、転用の相談がメインになるのではないかと思います。
先ほどのシェアハウスの改正規制に適合しないものがほとんどになりますので、シェアハウス以外の用途に転用する方向です。
特に足立区はシェアハウスの林立が激しいので、全体数を減らしたいというのもあると思います。

 

足立区はシェアハウスは住宅宿泊事業(民泊)や福祉関係(介護施設)等へ転用予定

 

それでは、どういうものに転用していくかですが、足立区のホームページには住宅宿泊事業(民泊)や福祉関係(介護施設)等へ、と書いていますが、住宅宿泊事業は住室とお風呂やトイレの数等の関係で難しいのではないかと思われます。
簡易宿所で可能かどうかではないかと思います。
そう言う意味では足立区が考えているのは、恐らく高齢者向けやグループホームやDVシェルターのような施設への転用を考えているのではないかと思います。

出来れば、足立区で上記用途で借り上げてくれればいいんでしょうけど、予算的に厳しいでしょうね。
また、専門家への相談も可能になるよう検討中とありますので、弁護士や建築士等の専門職の方に相談できるようにはゆくゆくなるようです。

足立区としても対応が急務のため、とりあえず開設してから業務は相談に来る方の内容により変えていくようですから、とりあえず言って話をきいてもらうのがいいでしょうね。

今回の窓口開設はお役所特有の業務内容をここからここまでというように決めてから開設といった感じではないようなので、評価されるのではないでしょうか。
恐らく、この足立区の窓口の対応経過をみて、他の市区町村も追従していくと思われますので注目したいところです。

 

30年家賃保証などの甘い言葉に惑わされない知識は必要

 

近年、人の生活スタイルの多様化により色々な形態の住まいが提案されています。
その一つの形態がシェアハウスであったわけですが、今回の問題でシェアハウスが下火になるかといいますと、決してそうはならないと思います。シェアハウス希望の方は一定数以上いるので、今後もニーズはあると思います。
ただ、今回の「かぼちゃの馬車」の場合、頭金無で30年間家賃保証ということで、心配は何もないと思ってしまったというのがあると思います。

30年家賃保証というのは度々目にはしますが、どうしても絵に描いた餅になってしまう可能性が高いと思います。
スマートデイズもそうならないスキームを打ち出してやっていたのですが、最終的に破綻してしまったということです。
この辺に関しては、肝に銘じたいところですね。

今回の、足立区のシェアハウス相談窓口が一定以上の成果がでることを期待したいと思います。

 

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