令和5年(2023年)地価公示に関して

令和5年(2023年)地価公示に関して

 

先ごろ、令和5年度の地価公示が発表されました。

そもそも地価公示とは

○ 地価公示は、地価公示法に基づき、国土交通省土地鑑定委員会(委員長:森田 修 東京大学大学院教授)が、一般の土地の取引 価格の指標とするなどのため、都市計画区域等における標準地を選定して、毎年1月1日時点の1㎡当たりの正常な価格を判定し公示 するもの。

○ 公示価格は、全国167の分科会に所属する2,331人の鑑定評価員(不動産鑑定士)が全国26,000地点(うち、福島第一原子力発電所の 事故の影響による7地点で調査を休止)について選定及び確認を行い、分科会等における議論を経て鑑定評価した価格に基づいて判定 している。 令和5年地価公示の概要より引用

今回は発表された地価公示の動向を見ていきましょう。

 

令和5年(2023年)の公示価格の動向 全体的に上昇傾向

 

令和5年の公示価格の動向としては、全体的に上昇傾向にあり、上昇率が拡大している。ということになります。

細かく見ると全国平均は全用途で平成31年が1.2、令和2年が1.4、令和3年が-0.5、令和4年が0.6に対し、令和5年が1.6の上昇となりました。

住宅地で見ると、平成31年が0.6、令和2年が0.8、令和3年が-0.4、令和4年が0.5に対し、令和5年が1.4の上昇商業地で見ると、平成31年が2.8、令和2年が3.1、令和3年が-0.8、令和4年が0.4に対し令和5年が1.8の上昇となりました。

 

令和5年(2023年)の公示価格の動向 三大都市圏の動向

 

三大都市圏で見ると、全用途で平成31年が2.0、令和2年が2.1、令和3年で-0.7、令和4年が2.1に対し、令和5年が2.1の上昇住宅地だと、平成31年が1.0、令和2年が1.1、令和3年-0.6、令和4年が0.5に対し、令和5年が1.7の上昇商業地で、平成31年が5.1、令和2年が5.4、令和3年が-1.3、令和4年が0.7に対し、令和5年が2.9の上昇となりました。

東京圏では、全用途で平成31年が2.2、令和2年が2.3、令和3年が-0.5、令和4年が0.8に対し、令和5年が2.4の上昇住宅地だと、平成31年が1.3、令和2年が1.4、令和3年が-0.5、令和4年0.6に対し令和5年が2.1の上昇商業地で、平成31年が4.7、令和2年が5.2、令和3年が-1.0、令和4年0.7に対し、令和5年が3.0の上昇となりました。

上記のような結果でした。

令和3年が軒並みマイナスだったのに対し、プラスに反転し、さらに平成31年の上昇率を上回る数字になっているようです。

国土交通省発表の令和5年地価公示の概要によると、新型コロナの影響で弱含んでいた地価は、ウィズコロナの下で、景気が緩やかに持ち直している中、地域や用途などにより差があるものの、 都市部を中心に上昇が継続するとともに、地方部においても上昇範囲が広がるなど、コロナ前への回復傾向が顕著となった。

とのことですが、実感としてはコロナの影響で弱含んでいたという感覚は薄かったと思います。コロナ中であっても不動産価格の下落があったという実感はなく、順調に上昇していたという感覚でした。

 

令和5年(2023年)の公示価格の動向 全国の動向

 

全国的にみると
住宅地で変動率がプラスの都道府県が令和4年から令和5年で20→24
変動率がマイナスの都道府県が令和4年から令和5年で27→22
商業地が変動率がプラスの都道件数が令和4年から令和5年で15→23
変動率がマイナスの都道県が令和4年から令和5年で29→23
となっています。
プラスの都道府県が増えて、マイナスの都道府県が減っているという結果でした。

毎回話題になる最高価格は
住宅地は東京都港区赤坂1丁目で1㎡あたり512万円で2.4%の変動率
次点が東京都千代田区六番町で1㎡あたり428万円で3.1の変動率
さらにその次が東京都港区白金代3丁目で1㎡あたり399万円で28の変動率
商業地は東京都中央区銀座4丁目で1㎡あたり5,380万円で1.5%の変動率
次点が東京都中央区銀座5丁目で1㎡あたり460万円で1.1%の変動率
さらにその次が東京都中央区銀座2丁目で1㎡あたり3,950万円で1.0%の変動率
でした。

上昇率では東京圏で
住宅地は千葉県木更津市金田東4丁目で20.6%、商業地では横浜市西区みなとみらい3丁目で13.5%になっています。

ちなみに東京都内の上昇率は住宅地も商業地でも100位以内にはありませんでした。
また、東京圏の市区別の上昇率でみると
5%を超える上昇率が住宅地では埼玉県戸田市、千葉県市川市、千葉県浦安市
商業地では埼玉県戸田市、東京都北区、東京都荒川区、東京都中野区、千葉県市川市、千葉県船橋市、神奈川県川崎市川崎区、神奈川県川崎市幸区、神奈川県横浜市神奈川区、神奈川県横浜市西区、神奈川県横浜市南区、神奈川県茅ケ崎市となっています。

それでは、東京23区で絞ってみてみましょう。
23区住宅地の区別平均価格では
1位は千代田区の1㎡あたり2,791,400円
2位が港区の1㎡あたり2,149,700円
3位が渋谷区の1㎡あたり1,386,700円
ちなみに4位は中央区の1㎡あたり1,386,400円でした。

変動率では
住宅地が1位が台東区の4.8%、2位が豊島区の4.7%、3位が中野区の4.6%となりました。
商業地が1位が中野区と板橋区の5.2%、3位が杉並区の4.7%でした。

地価公示は実勢価格とは乖離があることもありますが、大まかな市場の動向を見る参考にはなります。
細かく見ていけば、もっといろいろな数字の見方があります。

国土交通省のホームページで自由に閲覧ができるので、興味があるかたは一度ご自身でもご覧になってみるのもいいかもしれません。

  • 黒澤友貴(Tomotaka Kurosawa)
    黒澤友貴(Tomotaka Kurosawa)

    池袋の不動産会社e-home株式会社の代表取締役。みなさまの資産形成のお手伝いを不動産を通してお手伝いさせていただきます!

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