売買でのIT重説と賃貸での重要事項説明書等の電磁的方法による交付の実証実験

不動産投資における確定申告とは

 

売買でのIT重説と賃貸での重要事項説明書等の電磁的方法による交付の実証実験がスタートするそうです。
何だそれは?
という声が聞こえてきそうですが、まず売買でのIT重説とはですが、正確には売買取引におけるITを活用した重要事項説明となります。

 

不動産の購入をする際の重要事項説明とは?

 

重要事項説明は不動産の購入をする際に売主が宅地建物取引業者か宅地建物取引業者が仲介に入る場合、購入の契約の前に重要事項の説明を受ける必要があります。

土地であれば、実測面積が何㎡で建築基準法や都市計画法でどのような制限を受けるか、マンションであれば管理規約や管理状況等について重要なものを説明されます。これは、宅地建物取引業法で何を説明しなくてはならにかが決まっており、売買契約の前にそれら、重要な事項を理解した上で契約して下さいという決まりです。

 

不動産の重要事項説明のITの活用

 

ITを活用したというのは、要はスカイプ等の双方向ビデオ通話で行うということです。

現状、売買での重要事項説明は宅地建物取引士が対面で行わなくてはならないとなっており、それをスカイプ等で行えるようになるということです。
賃貸にも重要事項説明がありますが、こちらは2017年にIT重説が解禁になっています。これを売買でも可能にする実験をスタートさせるということです。

二つ目の賃貸での重要事項説明書等の電磁的方法による交付とは、上で書いた通り、賃貸でのIT重説は可能になっていますが、重要事項説明書を書面で交付して郵送しなくてはならないものを電子署名を付けた重要事項説明書ファイルをメール等で相手方に送付するというものです。

 

IT重説や重要事項説明書等の電磁的方法による交付の今後の課題

 

内容はある程度ご理解いただけたかとは思いますが、実際どうなのか?というところですが
双方向ビデオ通話による重要事項説明はかなり有用だと思われます。というのも、今現在では契約に際し重要事項説明をしなくてはならない訳ですが、対面が義務付けられているため、基本的には不動産業者に赴いてもらい重要事項説明を受けて、契約となっています。

この、不動産業者に行くのがなかなか難しい方もいて、お仕事が忙しくてなかなか行けなかったり、海外若しくは遠方にいるため事実上、不動産業者に赴くのが不可能という方もいます。そう言った場合にこのIT重説は有用なのではないかと思われます。

ただ、現在、賃貸でのIT重説は解禁されていますが、一般的に利用されているかというと、ほとんど利用されていないのが実情です。
不動産業界自体がいまだ、FAXを多用したりとアナログから抜け出せていないため、不動産業者でのIT重説の導入が一般化されていません。

 

また、売買でのIT重説をする際、手付金の授受をどうするか等の工夫が必要です。

 

売買契約時に授受する手付金は重要事項説明をうけた後でないと授受ができないため、現金で契約の場に持ってきてもらうのが通例のため、重要事項説明を受けたあと、契約書に署名捺印をして、振込みをするとなると契約日と手付金の授受の日付が変わり、売主さんにとっては少し不利な状況になるためです。

何が不利?というと、契約書には署名捺印がなされ契約が成立しているので契約の拘束力が発生しますが、手付金が支払わなくても、一定期間他に売却活動が制限されてしまったり、最終的に手付金が支払われない状況のまま解約になると言ったケースが想定されるからです。(←の場合は手付解除になるため、買主さんは手付金を放棄しなくてはいけないのですが、そのまま支払われない等)

IT重説や重要事項説明書等の電磁的方法による交付は今後の不動産取引を円滑に進めるために有用な手段になることは間違いないと思います。
しかし、便利だけでは済ませられないのが不動産取引だと思います。取引額が大きく、生活に欠かすことのできない、住まいの取引だからです。
昔から詐欺が横行している業界でもあるため、予防対策を充分に行い、普及していければと願うばかりです。

 

【注意書き】
e-homeの提供しておりますコラム等は、更新時の法律。条例などを元に記載しております。
また、あくまで【不動産業】の専門家の観点からこちらの記事は作成しておりますのでその他の専門的なお問い合わせは、各自治体・各専門家にお問い合わせいただければと思います。不動産投資に関するお問い合わせに限り、ご対応させていただければと思います。

 

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